かんプロリモデルLaboです。
日本はいつどこで大きな地震が発生してもおかしくありません。
地震だけではなく、近年では大きな水害や大規模火災なども多く発生しています。
自然災害発生時、住宅内では、家電やガス機器の転倒・破損、
停電による火災、断水など、さまざまな二次被害が起こる可能性があります。
こうした被害を最小限に抑えるためには、日頃から家の中の機器や設備に適切な対策を施しておくことが重要です。
そこで今回のコラムでは、家庭で特に実践しておきたい安全対策について解説します。
地震時、テレビや冷蔵庫などの大型家電が転倒すると大きな怪我につながり、避難経路を塞ぐ危険もあります。
冷蔵庫は重心が高く転倒しやすいため、専用の転倒防止ベルトやL字金具で壁にしっかり固定することが大切です。床との滑りを防ぐ耐震マットを併用することで、揺れに対する安定性が大幅に高まります。
テレビは揺れで落下しやすく、割れたガラスが大きな危険を生じます。テレビ本体と台を転倒防止バンドで固定し、テレビ台自体も壁固定やストッパーで転倒を防ぎます。壁掛けの場合は、耐震用金具が正しく施工されているか確認しましょう。
電子レンジ、炊飯器などは滑り止めマットで固定し、高い棚の上など落下しやすい場所に置かないことが基本です。
ガス設備は地震時の火災防止に欠かせません。
ビルトインコンロは比較的安全ですが、設置から10年以上経過している場合は点検を受けることをおすすめします。
卓上コンロは滑り止めマットで固定し、周囲に可燃物を置かないようにしましょう。
給湯器は配管への負荷が大きいため、揺れを吸収できるフレキシブル管が使用されているか確認が必要です。
屋外設置の場合、機器本体の固定具が緩んでいないかも定期点検しておきましょう。
地震による停電と、その後の復電時に発生する「通電火災」は、住宅被害の中でも大きな割合を占めています。
揺れを感知して自動でブレーカーを落とす「感震ブレーカー」は、地震後の火災を防ぐうえで非常に有効です。
分電盤タイプのほか、既存のブレーカーに後付けできる簡易型もあります。
家具の転倒によりコードやコンセントが破損すると火災の危険が高まります。
延長コードの過剰な使用やたこ足配線を避け、日頃から整理しておきましょう。
地震後は断水する可能性が高く、飲料水や生活用水の確保が重要になります。
給水ポンプを使用する住宅では、揺れでポンプが停止し、水が出なくなるケースも多いため、
最低3日分、可能であれば1週間分の水をストックしておきましょう。
また、浴槽の水を常に張っておく習慣は、非常時の生活用水として役立ちます。
断水時、トイレの使い方を誤ると排水管が詰まり、復旧後に大きなトラブルとなることがあります。
お使いのトイレの非常時の洗浄方法について、普段から必ず取扱説明書を確認しておきましょう。
以下は一般的なタンク式のトイレで推奨される方法です。
バケツに約6〜8リットルの水を汲む
便器の中央めがけて一気に流す(少し高い位置から流すと効果が高い)
汚物が流れない場合は無理に続けず、数回に分けて流す
※タンクに直接水を入れてレバーを回す方法もありますが、断水時はタンクの内部部品が破損している可能性もあるため、できるだけ便器へ直接流す方法が安全です。
排水が詰まっている場合は絶対に無理に流さない
タンクレストイレなどは必ず取扱説明書に書いてある停電時の手動洗浄方法に従って操作してください
マンションでは上階が使用すると下階の排水に影響が出るため、管理会社の指示に従う
汚水の逆流が疑われる場合は使用を中止する
石油ストーブやガスファンヒーターは、転倒時に火災を引き起こす可能性があります。
使用時には周囲に可燃物を置かず、転倒防止ベルトなどで固定しておきましょう。
また、エアコン室外機は揺れで転倒することがあるため、専用の固定金具で設置することをおすすめします。
家電や設備の対策と併せて、設置している家具自体も壁に固定することで安全性が飛躍的に向上します。
吊り戸棚には耐震ラッチを取り付け、落下しやすい食器類には滑り止めを使用するなど、住宅全体での対策が重要です。
自然災害対策は「できるときに、できる部分から」着実に進めることが大切です。
機器の固定、火災防止設備の導入、水の備蓄、断水時の対応方法など、事前に備えておくことで、災害時の不安や被害を大幅に減らせます。
ご家庭の状況に合わせた設備点検や耐震対策のご相談も承っておりますので、
気になる点がありましたらお気軽にお問い合わせください。